【書評】テンペスト(冬虹)/池上永一著

うつ病再発防止に向けたサラリーマン生活

 仕事が忙しく、3巻まで読んでなかなか読めなかった4巻(冬虹)。完結編。

第一巻(春雷)↓

第二巻(夏雲)↓

第三巻(秋雨)↓

前半

 宦官としての孫寧温、王の側室としての真鶴の二重生活を続ける真鶴。

二重生活がばれそうになったりのドタバタ、琉球国内での政治勢力の変化等に翻弄されながら二重生活を親友である同じ側室の向真奈美の助けを得ながら続ける。

 そんななか、真鶴は王の側室として妊娠・男子を出産。

男子出産のお祝いが始まろうとしていた。

【感想】

 薩摩派の伸長、薩摩藩主島津斉彬からの琉球への要求、島津斉彬の急死等の政治の出来事が色々発生するも、

物語の舞台はどちらかというと孫寧温と真鶴の二重生活でのドタバタ劇に重きが置かれる。

 本著はあと半分くらいで終わりだが、どのような終わり方・結び方をするんだろうなぁ~と少し疑問に思いながら読書を進めていきます。

 国際情勢の荒波に飲まれる琉球の政治の話というよりは、側室として国王の子供を身ごもってしまった真鶴がどうごまかすかにドキドキ。

後半

 物語は一気に進む。

 真鶴の出産した男子の生誕を祝う席でずっと真鶴の味方だった兄、孫嗣勇が真鶴と孫寧温が同一人物であったことを暴露。

 琉球の政界・王室ともに揺れ動く大事件に。真鶴は罪を受けて島流しにあうが、親友の真由美の助け等もあり、子供とともに逃げ出し、隠遁生活へ。

 子供に学問を教えたり、子供が科挙を受けたい・塾に行きたいといったドタバタもあるものの、物語は一気に、明治政府誕生、琉球処分へと進む。

【感想】

 真鶴と孫寧温が同一人物と判明した後のドタバタ、真鶴と子供である孫明の隠遁生活。

孫明の冒険等もありますが、物語は時代進行・スピードともに一気に加速。風呂敷をたたみ始めた感じが少し残念。

物語ラストで琉球処分で誰もいなくなった王宮で、(第一尚氏の血を引く)真鶴が孫明の第三尚氏王朝の即位の儀式を開くところは、映画ラストエンペラーの最後を思い出される。

1879年若夏。琉球王国は沖縄県となった。

このラストの一文は、この物語の最後の一文としては

ベタながら、グッとくるものがありました。

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