【書評】日本のいちばん長い日(決定版)/半藤一利

うつ病再発防止に向けたサラリーマン生活
概要

 半藤一利の名著「日本のいちばん長い日」を読む。戦後20年の1965年に大宅壮一名義で発行され1995年に本来の著者である半藤一利が決定版として出した本書。

感想

 プロローグとエピローグを除くと1945年8月14日の正午から玉音放送がなされた1945年8月15日の正午までの24時間の主に宮城事件を描いた本。

 群像劇の形をとっているが、主役は阿南陸軍大臣であるのは間違いない。それらを囲む鈴木首相や陸軍関係者。宮城事件の首謀者である畑中少佐たち。

 2015年の映画を見てから、本書を読んだ順番。2015年の映画は本書にかなり忠実に則って作成されていたんだなぁと感じる。

 本書での鈴木首相の老獪さ、阿南大臣の器の大きさ、畑中少佐たちの熱狂。どれもが2015年の映画が頭をよぎる。

 戦後20年しかたっていない1965年に半藤一利氏が当時存命の方から直接ヒアリング・取材を通じて紡がれた本書。そのため発言や動き等が非常にリアル。

 そして1965年と1945年の時間の経過よりも本書(決定版)が出た1995年から現在の2023年方が長く時間が経過している事を改めて驚き、戦後はもう書物でしか読むことができない時代が来ているのだなぁと感じた。

雑記

 東部軍司令官の田中大将が戦後すぐに自決していたことをエピローグでしる。2015年の映画で反乱軍を前に怒っていた姿が印象的だった。

 そして森近衛師団長の死にざまは、映画の様子がありありと頭に浮かぶ。

畑中少佐役を演じた松坂桃李の怪演が素晴らしい。

 

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