※本記事は、2022年に執筆した書評を、その後のJTCでの実体験と2026年現在の視点を加え、大幅に加筆・修正したリライト版です
「自分はこんなに頑張っているのに、なぜあの同期ばかりが評価されるのか?」 「実力主義と言いながら、結局は上司に気に入られた者が勝つのではないか?」
JTC(伝統的大企業)の荒波に揉まれ、一度はうつ病で戦線を離脱した私(かめ)は、復職後、そんな思いに囚われる日々を送っていました。 そんな時、私の視界を180度変えてくれたのが、ふろむだ氏の著書『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』です。
本書が説く「錯覚資産」という概念は、組織の不条理に悩むすべてのサラリーマンにとって、絶望を希望に変える「劇薬」となります。
成功を加速させる「錯覚資産」の正体
本書の核心である「錯覚資産」とは、「他人が自分に対して持っている、都合の良い勘違い」のことです。 人間は、相手の一部が優れている(高学歴、有名企業所属、SNSのフォロワーが多い等)と、その人の実力すべてを過大評価してしまう「ハロー効果」から逃れられません。
- 実力があるから成功するのではない: 「錯覚資産」によって良いチャンスが巡ってき、そのチャンスをこなすことで「本当の実力」がつき、さらに大きな「錯覚資産」が生まれる――。この「成功のループ」を回している者だけが、組織の頂点へと登り詰めるのです。
真面目に実力だけを磨こうとするのは、ルールを知らずにゲームに参加するようなもの。JTCという巨大なシステムで評価されたければ、まずは「評価されるための外見(錯覚)」を整える必要があるのです。
<組織の残酷なルールを、今のうちに知っておく>
「『正直者は馬鹿を見る』という格言は、JTCでは真理かもしれません。本書は、その『馬鹿を見る側』から抜け出すためのカンニング竹山のような一冊です。40代で手遅れになる前に、この世界の裏ルールを脳に刻んでおきませんか?」

本書は、「分裂勘違い君劇場」というのべ数百万人に読まれたブログの著者の処女作。
頁数は多いですが、著者の概要説明→男の子・女の子等の会話→絵やグラフ等の挿絵→著者まとめ
という構成になっており、通勤電車の中でもサクサク読むことができます。
JTC万年係長が直面した「負の錯覚資産」との戦い
私には、強力な「負の錯覚資産」が積み上がっていました。
「うつ病での休職経験」「メンタルが弱い」「出世コース外」――。 一度ついたこれらのラベルは、いくら現在の業務を真面目にこなしても、簡単には剥がれません。人事評価の例示で、自分と同じような境遇の社員が「低評価」とされているのを見て、私は愕然としました。
しかし、本書は教えてくれます。「錯覚は、操作可能である」と。
中身(実力)を変えるのは時間がかかりますが、外側(錯覚資産)を操作するのは、明日からでも始められる「技術」なのです。
窓際族から始める「錯覚資産」構築アクション 3選
組織内でのイメージを塗り替え、自己肯定感を取り戻すために私が実践している戦略です。
① 「型」から入り、自信があるように錯覚させる
- 外面のトーンを上げる: 暗い実力者より、明るい凡人の方が組織では重宝されます。
- 堂々と振る舞う: 廊下の真ん中を胸を張って歩き、発言はゆっくり、大きな声で。これだけで周囲は「この人は自信がある=実力がある」と勝手に勘違いしてくれます。

白い巨塔の財前先生も総回診の時に廊下の真ん中を
堂々と胸を張って歩いていますね。
② ネガティブな発言の「完全封印」
ポジティブなことが言えなくても、「周りを不快にする後ろ向きな発言」をしないことは誰にでもできます。「不満がない=安定している」という錯覚を周囲に植え付けましょう。
③ 客観的な「数字・肩書き」を手に入れる
組織内の評価が低いなら、外のモノサシを持ち込みます。
- 資格取得: 社会保険労務士などの国家資格は、JTCにおいても強力な「錯覚資産」になります。
- ブログ運営: 自分の思考を可視化し、読者を得る経験は、会社に依存しない「個」としての自信を育みます。

結論:錯覚を味方につければ、人生は「誤差の範囲
本当の実力が伴っていないことに罪悪感を抱く必要はありません。 そもそも、この社会自体が「錯覚」で動いているのですから。
出世競争から脱落し、今は窓際でくすぶっているように見えても、一歩外に出れば「大手企業勤務」という過去の錯覚資産はまだ生きています。 そして、今この瞬間から「新しい自分」を演出し、成功体験を積み上げていけば、過去の挫折すらも「人生を豊かにする深み」という資産に変わります。
「人生は、すべて誤差の範囲」
そう開き直って、ゲーム感覚で「錯覚資産」を積み上げていこうと考えています。
主導権を組織に渡さないように。


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