【考察】天才ナポレオンに秀才が勝つために編み出された組織が大企業病の原点なんて・・・

うつ病再発防止に向けたサラリーマン生活

 失われた30年間に言われ続けてきたのが、日本の大企業は現場を知らない勉強だけできる本社スタッフが組織を仕切っているため、動きも遅く、官僚的だという批判だと思います。 

 本社スタッフ部門の名誉あるJTCの万年平社員の私が真面目に考察してみました。

日本の大企業病とは

 社会人勤めをしているとこのような弊害(k官僚的・スピード感がない、現場を知らない)を目にすることも多く、まさに「そうだ、そうだ」と喝さいを叫びたくなる時も多々あります。 

 ベンチャー企業なり、優秀な現場を知った社長が仕切る会社は、決断が早く、世の動き、顧客の動きに敏感に反応して、即座に打ち手を出しているのに、わが社は、詳細を本店に報告せよ、本店内協議なり、関係部協議なりで時間が遅いんだよと思ったことのある社会人は結構多いのではないかなと思います。 

なぜこのようなスピード感のない組織になったのか

 このような日本の大企業にありがちな、現場から情報を吸い上げ、本社で検討し、対策を打つ(今の世の中では、対策が出来上がることには時すでに遅しということが多そうですが)というスタッフ部門の権限が強い組織の原点は、旧日本軍にあるようです。(その割には旧日本軍 の現地軍は勝手に戦線を拡大していた気もしますがそれはまた別のお話) 

 いわゆる、55年体制というか、(1940年の戦時体制の)40年体制の名残のように思えます。そしてその旧日本軍の参謀本部が模範としたのが、プロイセン参謀本部であるのは、間違いないと思います。 

 鉄血宰相ビスマルクとタッグを組んでいた大モルトケが参謀総長として、当時最先端の技術であった電信と鉄道を駆使して、下馬評ではプロイセンが負けるもしくは不利と言われていた2つの大国(オーストリア、そして大陸軍国のフランス)との戦争(普墺戦争、普仏戦争)に勝利したことを起因に「参謀本部」という組織が世界各国の軍隊に模倣されていったようです。 

 そして当然、出来上がったばかりの日本政府もこれまでのフランス式からドイツ式に軍令・軍制を改め、参謀本部制度を急いで導入したようです。 

モデルとなったプロイセン参謀本部の原点

 いわば、日本の大企業病の原点ともいえるプロイセン参謀本部は、1800年代初頭に出来上がったようですが、できた背景というのが、当時最強だったナポレオンに連戦連敗のプロイセンを立て直すために、シャルルホンスト、グナイゼナウというプロイセン軍人が「参謀本部」の基礎を作ったようです。 

 戦の天才ナポレオンに対して、どうしても勝てない各国。当時のフランス軍が、フランス革命を経て、いわゆる「国民国家」を形成し、その他王国の傭兵軍団と異なり、士気が極めて高く、追撃戦が可能であったこと、歩兵、砲兵、騎兵の3種類からなる「師団制」を初めて大規模に運用したことなどもありますが、それらの要因を除いても(各国もフランスからの侵略を経て国民国家の意識が芽生えたり、師団制を導入した後も)ナポレオンの用兵は天才的だったようです。 

 プロイセン軍は、用兵の天才であるナポレオンに勝つことは諦めて、「うまく負けよう(致命的な敗北は避けよう)」、(その代わり)「ナポレオン以外のフランス軍の将軍に勝つ」ことで、いわゆる戦術で負けても、戦略で勝つ方法に出ます。 

 ただ、ナポレオンに勝てないから、ナポレオン以外の将軍に勝とうと簡単に言っても、それはそれで難しい話。これまでのように司令官が直感や経験で指示を出す(桶狭間で織田信長が敦盛を歌った後で、急に今だといって馬に乗って出陣したり、馬上の司令官が戦場の様子を見ながら、「戦の流れが変わった、戦局を今だとか言ってと突撃を命ずる等のイメージ)のは、一旦やめたそうです。 

 そのうえで、事前調査での地形、自軍・敵軍の兵站能力、過去の戦争結果から分析した情報整理を、専門の教育を受けた参謀が協議なり事前に計画を企画・立案し、その計画をもとに戦争を行う方式に変えたようです。 

 このやり方だと、本当の天才には勝てないですが、己の経験や直感に頼るしかない敵の一般的な将軍に対しては、事前の情報なり、参謀での協議を踏まえた計画で自軍は戦うので、かなり有効な手段であったようです。 

 つまり、プロイセン参謀本部は、天才に勝つために凡人とは言わなくても秀才がなんとか勝つために編み出した努力の結晶だったようです。 

現代日本企業に翻って考察

 現代日本で成功したベンチャーの社長などは、「下から稟議をあげて、下から情報を集めさせ、現場を知らない本社で時間をかけて議論をする大企業と異なり、わが社は即断・即決等」とよく言っている気がします。 

 日本の大企業の大本が、直感で天才的な用兵を行うナポレオンになんとか勝つために、事前準備、過去の情報等を時間をかけて議論し、事前に計画を策定するプロイセン参謀本部であることを鑑みると、ベンチャー社長の日本の大企業への批判もなんだか当たり前のことを言っているだけのような気がします。 

 とはいっても、今の日本の大企業病が、このグローバルな世の中で後れを取っているのも事実です。どうしたらいいのでしょうね・・・。 

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