J・B・ハリス著の「ぼくは日本兵だった」を読んだ。日英ハーフで日本国籍を有する著者。
見た目はハーフながら父(英国人)似にて、白人風の著者が真珠湾攻撃(1940年12月8日)の朝から終戦後までの従軍中の自叙伝。
ハーフで見た目が白人のため、戦争開始後、スパイ容疑での逮捕、敵国人収容所への収容、日本国籍を有することがわかってからの徴兵・山梨での訓練、北支での戦争経験、終戦による帰国までの流れを大変読みやすい文体で記載されている。
普通の日本人の従軍体験ですら辛いはずなのに、ハーフで見た目が白人の著者の経験は筆舌に尽くすものだろうと思われるが、前向きな文体・辛い生活の中での楽しい経験等を交えており、悲惨さ・陰鬱さは感じられない。
いじめ等もあったと思うが、生々しい虐めの描写はなく、むしろ著者を可愛がってくれ、理解を示してくれた日本軍人とのエピソードが中心だからかもしれない。
簡易な文体で書かれており、240頁程度の分量のため、サクサクと読める。大まかな流れは1940年から終戦直後までではあるが、エピソード毎に分かれているので、一気に読んでもいいし、つまみ読みの繰り返しでも簡単に読める。
文章の大半が北支戦線での戦闘・軍隊生活。終戦後のエピソードは少しはしょりぎみ。最後に極東軍事裁判にも関わり、極東軍事裁判に向かうところで本書は終わりなので、エピローグ的なものがあればなお良かった。
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