子どもにも大人にも大切な「ヘルプ要求」とは?困ったときに人を頼るスキル

【家族の羅針盤】子育てと家族の日常

 

 ヘルプ要求(援助要求・援助要請)とは、困ったときに周囲へ助けを求めるスキルです。子どもが先生に助けを求める方法や成功体験の大切さ、社会人の仕事にも役立つヘルプ要求について紹介します。

 困ったことがあったときに、周囲の人へ「助けて」と伝える。簡単なことのように思えますが、自分から誰かに助けを求めるのが苦手な人もいます。

 子どもの場合も、学校で困ったことがあったとき、「先生が他の子と話しているから声をかけられない」「いつ声をかければいいのかわからない」「なんて言えばいいのかわからない」と悩んでしまうことがあります。

 そこで知ったのが、「ヘルプ要求(援助要求・援助要請)」という考え方です。

 子どものヘルプ要求について考えているうちに、「これは子どもだけではなく、社会人にとっても重要なスキルなのでは?」と感じました。

 この記事では、子どもが困ったときに周囲へ助けを求める方法と、社会人にも役立つヘルプ要求について考えてみます。

ヘルプ要求(援助要求・援助要請)とは

 ヘルプ要求とは、自分だけではうまくできないことや困難なことに直面したとき、その状況を他者へ伝えて援助を求めるスキルです。「援助要求スキル」「援助要請」などと呼ばれることもあります。

 光村図書の「通常学級での特別支援教育」でも、人を頼るスキルを「援助要求スキル」とし、うまくできない場面や難しい場面で他者に援助を求めることで、課題を乗り越えることにつながると解説されています。

【参考】光村図書出版「人を頼るスキルが乏しい子」
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/jugyou/tokubetsushien/detail17

 大人からすると、「困ったら聞けばいい」「わからなかったら先生に相談すればいい」と思ってしまいます。しかし、実際には「助けてほしい」と伝えること自体にハードルを感じる人もいます。

 これは子どもだけの問題ではありません。大人になってからも、職場で上司や同僚に相談できず、一人で仕事を抱え込んでしまうことがあります。

だからこそ、困ったときに適切に周囲を頼ることも、一つの大切なスキルだと思います。

「先生に聞けばいい」が難しいこともある

 学校でわからないことや困ったことがあったら、先生に聞く。大人からすると、それほど難しいことではないように思えます。

 ところが、「先生が他の子と話しているときに声をかけてもいいの?」「どのタイミングで話しかければいいの?」「最初になんて言えばいいの?」というところで止まってしまう子どももいます。

 その場合、「先生に聞きなさい」と言うだけではなく、先生に助けを求めるまでの行動を具体的に考えてみるのも一つの方法です。

声をかけるのが難しければ、まず気付いてもらう

 自分から声をかけることが難しい場合は、まず「先生に自分の存在に気付いてもらう」ことから始めてもいいと思います。

手を上げてみる

一つ目は、手を上げることです。

 手を上げていれば先生が視覚的に気付き、「どうしたの?」と声をかけてもらえる可能性があります。自分から先生のところへ行って「先生、ちょっといいですか?」と話し始めるよりも、心理的なハードルを下げられる子もいるでしょう。

先生から見える場所へ移動する

 手を上げること自体が難しければ、先生から見える場所へ移動する方法もあります。先生が気付いてくれれば、そこからコミュニケーションを始められます。

「助けて」と言葉で伝えることだけが、ヘルプ要求ではありません。援助要請については、小さく手を挙げるなど、言葉以外のコミュニケーションから始める方法もあります。

その人ができる方法から始めることが大切なのだと思います。

小さな「助けてもらえた」を積み重ねる

最初から難しい相談をする必要はありません。

 「先生に聞けた」「わからないと言えた」「困っていることを伝えられた」、そして「聞いたら教えてもらえた」。そんな小さな経験を積み重ねていくことが大切です。

 援助要請については、周囲に助けを求めやすい環境があることに加えて、「助けを求めたらうまくいった」という成功体験も重要だとされています。

 子どもにとっては、大人から見れば小さな出来事でも大きな一歩かもしれません。「一人でできたこと」だけでなく、「困ったときに人を頼ることができた」ことも一つの成功体験として考えていいのではないでしょうか。

子どものコミュニケーションについてもう少し知りたい方へ

 子どもへの声のかけ方や、人との関わり方についてもう少し体系的に知りたい場合は、家庭で実践できるソーシャルスキル関連の書籍を一冊読んでみるのも参考になります。


ヘルプ要求はサラリーマンにとっても大事

 子どものヘルプ要求について考えているうちに、「これ、サラリーマンにも同じことが言えるな」と思いました。

 私自身、新入社員だったころ、課長にわからないことを相談したいのに、課長が他の社員と話していると「いつ話しかければいいんだろう?」と悩んだことがあります。

 課長の机の近くでもじもじしていると、そのまま気付かない上司もいれば、「何かあった?」と声をかけてくれる上司もいました。

 もちろん部下側にも相談する力は必要です。一方で上司側にも、部下が相談しやすい雰囲気を作ったり、「何か聞きたそうだな」と気付いたりすることが必要なのだと思います。

みこ(妻)
みこ(妻)

あなた管理職(課長)じゃないでしょ。

かめ(夫)
かめ(夫)

それは言わないお約束。

仕事ができる人は「人を頼る」のもうまい

 仕事は一人ですべて完結できるものではありません。

 「ここを手伝ってほしい」「この部分がわからない」「このままだと期限に間に合わない」と適切なタイミングで周囲に伝えることも、仕事を進めるうえで重要です。

 上司・部下・同僚など周囲の人と協力し、チームとして仕事を進める。「何でも一人でできる人=仕事ができる人」とは限りません。

 むしろ、自分一人では難しいと判断したときに、適切な相手へ適切なタイミングで助けを求められることも大切な仕事のスキルだと思います。

大人も「助けて」と言えるように

 私自身も、仕事を一人で抱え込んでしまうことがあります。だからこそ、子どものヘルプ要求について考えることは、自分自身の働き方を振り返る機会にもなりました。

 仕事で困っているなら上司や同僚へ。職場では話しにくいことであれば、家族や友人など信頼できる人へ。「今、困っている」「少し助けてほしい」と伝えることも大切です。

 誰かに助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。一人ですべてを抱え込むのではなく、必要なときには周囲を頼る。

子どもにも大人にも、「困ったときには助けを求めてもいい」という選択肢を持っておくことが大切なのだと思います。

まとめ|「助けて」と言えることも大切なスキル

 ヘルプ要求について考えてみると、単に「困ったら人に聞きましょう」という話ではないことがわかります。

 声をかけるタイミングがわからなければ手を上げる。自分から話しかけるのが難しければ、まず相手に気付いてもらう。そして、小さなことから「助けを求めたらうまくいった」という経験を積み重ねていく。

方法は一つではありません。そしてこれは、子どもだけではなく大人にも必要なスキルです。

 私自身も、仕事で困ったときに一人で抱え込まず、「ちょっと助けてください」と言えるようになりたいと思います。

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