2010年NHKの「ハーバード白熱教室」で放送された名著。
ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏の「Justice(正義)」の人気講義の書籍化された1冊。
本著の名前は有名で知っていましたが、なかなか読む機会がなかったのですが、図書館でふと目につき手に取ってみました。
サラリーマンの私が往復の通勤電車で読むのは量が多く、最終的には読み終わるまで1か月かかりました。
出世街道から外れた万年平社員(でも8時~22時の業務)の私が教養をつけよう、読書により心を落ち着かせようと本著を読んだ感想をまとめてみました。
答えのない具体的な問いから始まる本書~最初は読みやすい~
有名なトロッコ問題(ある人を助けるためにその他の人を犠牲にするのは許されるのか)や同性婚の是非、同性婚、アファーマティブアクション、兵役の志願制等、具体的な社会的課題にして、答えのない問いを通じ、「正義とはなにか」を読者への問いかけから始まる本著。
答えに正解はなく、立場によって答えが変わる。ついついとはいっても常識的に考えたらこうだろ~という一般人の考える折衷案について、哲学的観点からどんどん問いかけてくる。
折衷案の裏に潜む考え・主張を純化した結果、その折衷案は果たして正義なのかということを読者の私たちに考えさせ、悩ませる1冊。
哲学的・歴史的な教養が求められる展開に
そのような具体的かつわかりやすい問いかけに対する様々な具体的な回答を裏付ける哲学的・歴史的な考えがどんどん途中から展開されてきます。
最大多数の最大幸福のジョンスチュアートミル、カント等等
ジョンスチュアートミルあたりの最大多数の最大幸福くらいまではなんとかマイケルサンデルの話についていけるものの、カントあたりから途中で息切れする私。
なんとか読み進めるが途中で挫折。
NHKの「ハーバード白熱教室」は見ていてもわかりやすく、NHKの職員の「難しい事をわかりやすくする」、「難しい中から一般の視聴者がわかりやすい所を選ぶ」能力の高さに驚かされる。
最後までなんとか読み進めた、読み終えた~という満足感は十分味わえる一冊。
ただし、マイケルサンデルが本当に伝えたかった事、読者に考えてほしいことはもう一度読まないと私にはわからない・・・。
もう一回時間を空けて読もう。
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