忙しい社会人でもエッセイ・随筆は通勤時間の合間にさっと読めるのでお勧めです。中国史の歴史小説家の「陳舜臣」の「六甲随筆」は千文字程度であり、通勤時間に軽く読めるのが嬉しいです。
社会人になってから読書の習慣が途切れる
私はもともとは本が好きな子供で、高校生までは多く本を読んでいたのですが、大学に入ってからはあまり読書をせずに過ごしてきました。
入社後も、平日は残業、休日はせっかくの休日だからとわざわざ読書をせず、遊んで暮らす日々が続きました。
読書するとしても、仕事に必要な専門書もしくは、ミスの防ぎ方、上司としての在り方等の意識高い系のビジネス本をちょろっと流し読みする程度でした。
左遷されてから逆に読書を始めることに
左遷されてからは、職場の近くに図書館があることもあり、2週間に1冊は読書をしようと決めました。
きっかけは高校時代の友人が大読書家で1週間に何冊も哲学書から、下世話なゴシップ誌まで多く読んでおり話せば話すほど、知識の深さ(サブカル等含む)に圧倒された事です。
昔のように本に没頭して読めず、記憶力の低迷が如実に表れる
歴史が好きなので、歴史系の専門書や学生時代に断念した水滸伝等を借りて読むことに。通勤時間に読むことにしましたが、20分単位で乗り換え等があるため、細切れ読書に。
毎日の朝・晩の20分単位での細切れ読書かつ、日によっては読書できない日もあり、前回どんな内容だったっけと長編小説等は読み進めるにつれ、そもそも内容を忘れていることに気づく。あと●日で図書館に返却しなきゃと、プライベートを充実させるための読書が私を焦らせる結果に。
学生時代は、受験勉強の合間の細切れ読書でも、内容は完全に覚えており、このような事はなかったのだがとガックリくる。
今まで興味のなかったエッセイや随筆に手を伸ばしてみる
そんなこんなで、図書館の返却日までに全部読むことができず、借りた本を返す日々が続いていました(延長やもう一回借りるほど、根気が続きませんでした)。
そんな中、いい本ないかなぁと図書館の本棚を見ていると、両親が台湾出身で、戦前に神戸で過ごした小説家の「陳舜臣」のコーナーを発見。
陳舜臣の小説は、1993年の大河ドラマの「琉球の風」の原作ともなっています。私は中学生時代に「陳舜臣」の「小説十八史略」を母方の祖父の部屋で見つけ、それをきっかけに中国史に興味を持った経緯があります。小説十八史略は何度も何度もボロボロになるまで読んだ思い出の本。
↑小説十八史略のうち、傑作短編を集めたもの。小説十八史略、ひいては中国史のきっかけに。
懐かしく思い、陳舜臣のコーナーをしばらく眺めていると、「六甲随筆」というその名の通り、随筆を発見。
私は今まで、あまり随筆には興味がなかったのですが、ふと手に取って開いてみました。
随筆は読みやすい!
本書はは2003年~2006年に朝日新聞の夕刊に陳舜臣が、「六甲随筆」という名前で執筆したエッセイを書籍化したものとの事。
夕刊のエッセイのため、見開き1頁で一つのエッセイであり、2駅程度進む間に読めるため、通勤電車での細切れ読書でも普通に読めるのが嬉しい。
また各エッセイは、中国史の小話等や戦前生まれの陳舜臣の少年時代の思い出等が挟み込まれ、読後感もじんわりと心が温かくなるような内容が多かったように感じます。
ビジネスに忙しいサラリーマンも専門書や意識高い系の書籍で筋力をつけるだけでなく、エッセイで心の筋肉をほぐすのもいいのかなと思いました。
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