陳舜臣関係でのその他お勧めな本はこちら↓ 陳舜臣の六甲随筆を読んで読書再開したんだよな~
感想
本書は、陳舜臣が中国の近現代の人物を語る内容。
短編小説でもなければ、随筆でもない不思議な一冊。
若干、陳舜臣による説明口調が微妙だなぁ~と感じるところもあるが、読みやすい1冊と感じた。
本書は1~4章から構成される。
1章は1,800年代の人物が中心で、林則徐や左 宗棠、李鴻章といった人物。
阿片戦争の林則徐や北洋艦隊の李鴻章はある程度は知っていましたが、林則徐が阿片戦争後左遷され、新疆にいたとは知らなかったです。
また林則徐は阿片戦争で有名なので、対イギリス・フランスを国防の中心と考えているイメージでしたが、最終的には仮想敵国はロシアと考えていたのは意外。
北洋艦隊・洋務運動の中心の李鴻章が日本を大嫌いだったのは言われてみれば当たり前の話(日清戦争の下関条約に清国側の代表できているから当たり前か)
第二章は、洋務運動から戊戌変法の人物。改革派の変法派の康有為走っていましたが、名前だけでした。
康有為という変法派が西太后によって追い落とされてから以降の話はしりませんでしたが、1927年頃まで生きていたとは知らかったです。
1880年代では急激な改革派として認識された康有為が、1910年代には、立憲君主制を支持する古びた考えの男と取られられたのは当時の中国の激動ぶりが垣間見られる。
第三章は孫文、魯迅、袁世凱。
第二章の変法派と第三章の改革派の派閥の入り乱れ(興中会、華興会、保皇会)等はわからないです。
ただ革命未だならずの孫文、小説家の魯迅、そしてビジョンなき優秀な官僚であった袁世凱。
このような有名人の足跡を陳舜臣の口調で辿れるところが魅力。
第四章は、その道の人ならば有名なのかもしれないが、私は全く知らなかった近代の中国の画家2名のお話。
(その他)
太平天国の乱の洪秀全にしても、科挙に合格している、していない(目指した)は別として科挙という試験制度は清末の中国人の心に大きな影響があったのだなぁと改めて思った。
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