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チンパンジーのショー出演に関する批判
2000年までは、チンパンジーのショーはどこの動物園でもやっていました。
子供の頃、家族旅行で、伊豆シャボテン公園に行った際に、
チンパンジーの芸を見た覚えがあります。
2000年代中盤頃から、主に、パンくん(天才志村どうぶつ園/日本テレビ)、ゴメスチェンバレン(チノパンニュース/フジテレビ。ちなみに芸名のゴメスの本名はスマイルといいパンくんの異母兄)のテレビ出演について批判が出ていたようです。
この批判を受け、フジテレビは、ゴメスチェンバレンが出演するチノパンニュースは中止(当時環境大臣だった小池百合子が記者会見で行ったのが一番影響が大きい)
一方、日本テレビは、天才志村どうぶつ園で、パンくんを出演させ続け、結果として2012年のパンっくんの女性研修生襲撃事件へ。
2015年頃からは、パンくんは引退したものの、パンくんの娘のプリンちゃんについて同様の批判が出てきているのが現状です。
年度 | 主体 | 対象 | 内容 |
2005年 | 日本動物園水族館協会倫理委員会 | パンくん | 服を着せ、芸をさせる擬人化は野生動物本来の生態を誤解させる。改善を勧告 |
2006年2007年 | SAGA(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い) | パンくん、 スマイル(芸名:ゴメスチェンバレン/パンくんの異母兄) | 繁殖目的のチンパンジーが頻繁にテレビに出演すること、極端な擬人化が本来の生態に誤解を招く事、チンパンジーの幼少期に群れから隔離されショーに出る事のチンパンジーへの影響等について声明 |
2006年 | 環境省 | スマイル(芸名:ゴメスチェンバレン/パンくんの異母兄) | 繁殖目的のチンパンジーが頻繁にテレビに出演するのは、種の保存法に抵触する恐れがある |
2008年 | 日本動物園水族館協会 | パンくん | パンくんのいる宮崎県のカドリードミニオンにおいて改善が見られないため、退会を勧告(カドリードミニオンは退会) |
2012年 | SAGA(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い) | パンくん | パンくんの女性研修生襲撃を受けた声明。 カドリードミニオンでのパンくんのショー出演や襲撃事件に関する報道について |
2015年 2016年 | SAGA(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い) | プリンちゃん(パンくんの娘) | 健康な個体であり、本来人工保育が必要ではないパンくんの娘(プリンちゃん)をテレビ出演やショー目的のために、人工保育させることへの批判 |
2020年 | 熊本県 | プリンちゃん(パンくんの娘) | 「天才!志村どうぶつ園」の後継番組である「I LOVE どうぶつ園」でのプリンちゃんが自転車を漕ぐ企画について、特定動物(チンパンジー)の飼養保管施設外での撮影等につき、安全基準を満たしていないことなど |
2021年 | 高校生 | プリンちゃん(パンくんの娘) | プリンちゃん等のチンバンジーのエンターテイメントでの使用の反対にかかる署名運動 |
2021年 | カナダの動物保護団体 | プリンちゃん(パンくんの娘) | プリンちゃんをエンターテイメントの番組に使用しないようにの要望。 |
僕たち、ニホンザルは、霊長類でmonkeyなんだ
類人猿ではないよ。
僕たち、チンパンジーは、霊長類の中の
類人猿なんだ。
英語ではapeだよ。
批判の主な内容
絶滅危惧種のチンパンジーをテレビ出演させることへの批判
チンパンジーは絶滅危惧種であり、ワシントン条約でも規制の対象。日本国内での飼育は繁殖目的に限られるのに、テレビ出演させるのはいかがなものかといった批判(環境省、熊本県等)
極端な擬人化がチンパンジーの生態への誤解を招く事への批判
パンくんのように服を着せ、犬を散歩させるような擬人化は、チンパンジーの生態への誤解を招く等(日本動物園水族館協会、SAGA等)
動物の福祉の観点からの批判
チンパンジーは群れで生活する動物。幼少期にチンパンジーの群れのルール等を後天的に「学習」する。人工保育やテレビ出演しているチンパンジーは、大人になった際に、群れに戻れず、孤独に過ごすことになる。(SAGA、高校生による署名活動、カナダの動物保護団体)
チンパンジーの幼獣が人間のいう事を聞くのは、パンくんの事例を見ても
10年が限界。一方、チンパンジーの寿命は50年。
残りの40年を群れに戻れず、一人で孤独に過ごすことになるんだ・・・。寂しい。
ネットでの反応
チンパンジーのショー出演に対する批判は、いずれももっともなものであり、「ごも、ごも、ごも、ごも、ごもっとも~」(わからない人はゴメスチェンバレンで検索してみてください)。
ネットやTwitterでも反応の多くは、チンパンジーのショーの出演は今の時代はもうだめだよね~といったものが大半。(私もそう思います)
ショーに出演したチンパンジーの余生として、ゴメスチェンバレンことスマイルの今の生活ぶり(千葉県市原市にある「市原ぞうの国」に在住)を見ると色々考えさせられるものがあります。
一方、ネットやTwitterでパンくんやゴメスと検索してみると、以下のような意見もあるのは事実。
プリンちゃんもパンくんに似て、自転車やジェンガが上手だね。
チンパンジーって頭いいんだ。
チノパンニュース面白かったよね~。規制のせいで中止なってしまった。
だからテレビは面白くなくなるんだ。
イルカ漁といい、海外の動物保護団体は、なんでも
文句言ってくるな。日本の猿回しも動物虐待とか言って
来るのだろうか。
今後どうすればいいのか
ドキュメンタリーで、テレビ局が散々利用し、設けて来たチンパンジー(パンくん、ゴメス、モモちゃん(パンくんの前任のお使いチンパンジー)の今を率直に放送すれば、いい番組になると思います。
誰が悪いといった事ではなく、引退後のチンパンジーといった形でありのままを放送してほしいです。フジテレビの「ザ ノンフィクション」あたりでやってくれないかなぁ~。
SAGAやSAGAに所属する教授等の発言は、まさしくその通りだと思います。
ただ個人的には、チンパンジーの♂を「男性」、♀を「女性」といったり、「名」表記するのは、あまり私には理解できないのも正直な所です。
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