中田敦彦や岡田斗司夫のyou tube等で知ったサピエンス全史。いずれ読みたいなと思っており、まずは上巻を手に取ってみました。
ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史 上―文明の構造と人類の幸福』(河出文庫)は、人類の誕生から文明の成立に至るまでを大胆に描き出したベストセラーです。
本書は世界50以上の言語に翻訳され、累計3000万部を超えるとも言われる歴史書でありながら、物語のように読みやすい点が特徴です。
今回の記事では、上巻を読み終えて感じたこと、印象に残ったエピソードを整理しつつ、読者の方が「これから読んでみようかな」と思えるような感想レビューをまとめてみました。
サピエンス全史(上巻)感想
サピエンス全史。つまり人類の歴史。歴史書といえば、先史時代から始まって、四大文明あたりから開始されるのが定番のイメージ。
ただこのサピエンス全史は「ホモ・サピエンス」としての歴史を記載しており、ホモ・サピエンスの歴史(数十万年)を語っており、4大文明の5,000年前はもう終盤。
そのため、上下巻の上巻の最後でやっと人類が「帝国」を築き始めた4大文明にたどり着く。
切り口が面白い。万物の霊長と自負する人類は食物連鎖の中間くらいに位置し、ホモ・サピエンスはその他のサピエンスに比べても突出した知能等はなかった。
そのホモサピエンスが「認知革命」すなわち空想(神等)を持つにいたり、親戚筋であるその他の人類を滅ぼし(結果的に絶滅に追いやった)、双子の兄弟(ギリギリ相互生殖可能なので生物学的には双子といってもいいのだろう)であるネアンデルタール人をも滅ぼし、狩猟採集をしながら全世界を制覇する物語が始まる。
そしてさらに「農業革命」を起こし、狩猟採集生活から「農耕」を通じ、文明を築いていくというところで上巻は終わる。
平等・相互互恵等の美しく語られがちな狩猟採集時代も人類は今に劣らず残酷で、また人類を豊かにしたと思われる「農業革命」は個人個人にとっては逆に不幸にした(人類の種の発展、DNAを残すという意味では成功)という話も面白かった。
下巻はまだ読んでいないが、工業革命・情報革命もよく考えると個人個人を不幸にしてるよな・・。
まとめ
『サピエンス全史 上』は、人類の過去を描きながら現代社会の矛盾を浮かび上がらせる一冊です。
認知革命によって虚構を信じる力を得た人類は、文明を築きながらも幸福を失ってきたのかもしれない。
この本を読むと、日常の「当たり前」が揺らぎ、自分の生き方を考え直すきっかけを与えてくれます。
歴史や哲学が好きな人はもちろん、「今の社会の成り立ちを知りたい」「人類の未来に関心がある」という方にも強くおすすめできる名著です。
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